1menuclose

作成日:2018/10/05

第1章:Plan -お金持ちになるべく実践する計画の策定

「世の大半のアイディアは、既存のアイディアの焼き直し」とはナポレオン・ヒルの金言(からの意訳)

前回までのあらすじ:
自らのイラストをコンテンツとするWebサイトを立ち上げようと決めた。当面の収益は広告費、サイトは自ら構築。現在あるのは方針だけ。サイトコンセプトも方向性も未定である。

さて、私が参入を試みるイラスト・アート関連Webビジネス市場とは果たしてブルーオーシャンなのか?あるいはレッドオーシャンなのか?いや、時すでに西暦2018。インターネット市場勃興の2000年以前ならいざ知らず、競争熾烈なWebビジネス業界。いずれの市場もそれなりにレッドオーシャンに違いなし。ましてや凡人の思いつくところとなれば既知の市場として、先着者が樹液に群がる甲虫の如くひしめく予感。私に吸える蜜は残されているか?

樹液に群がる甲虫類:古木は痩せ衰えていきます。そのマーケットはゼロサムゲームでしょうか?
樹液に群がる甲虫類:古木は痩せ衰えていきます。そのマーケットはゼロサムゲームでしょうか?

目次

  1.  賢者たれば先人の知恵に頼らむ。既存成功事例からアイディアを踏襲致したし
  2.  紙媒体が弱いと言われる昨今。そもそもイラストのニーズは縮小傾向?あるいは拡張傾向?
  3.  既存ビジネスモデルに学ぼう。イラストコンテンツサイトで成功している事例をチェック。事例ぞくぞく
  4.  数多あるイラストコンテンツサイトの特徴。ユーザ利用料柱の企業運営、掲載広告料柱の個人運営
    1.  タイプ1:企業体サイト コンテンツ有料提供型(収益の柱:ユーザ利用料)
    2.  タイプ2:企業体サイト コンテンツ無料提供型(収益の柱:広告料)
    3.  タイプ3:個人サイト コンテンツ無料提供型(収益の柱:広告料)
    4.  企業は収益率命。個人は趣味としての運営がままあるのだ
  5.  “フリー素材”ダウンロードサイト収益の仕組み。コンテンツ自体は無料だが、サイトが持続的に広告収入を生む
  6.  サイト運営による持続的発生予定の月間広告収入を机上計算してみる。単価が気になる私だから
  7.  「不労所得」の甘い罠。低単価な不労所得と高単価な労働所得、どちらを選ぶが賢いか
  8.  「秒速で1億稼ぐ」とは与沢翼の発言。私の場合、音速で1億が遠のく足音を聞いた(あるいは幻聴であり気配すら無かったかもしれない)
  9.  おまけ:著作権フリーと利用料フリーとはまるで別物。フリー素材の“フリー”、どこに修飾するかは利用規約で見極めよう

賢者たれば先人の知恵に頼らむ。既存成功事例からアイディアを踏襲致したし

サイトコンセプトの具体的検討に入る前に、サイト運営でコンテンツに絵やイラストを用いて成功している事例をいくつか見てみよう、というのが今回のテーマ。

···え?パクリを企てているですって?

なんと失言はなはだしい。踏襲とは、古来(?)より正当とされてきた手法であることを表す金言を挙げましょう。

発明家はたいてい改良的想像力で発明をしている。

改良的想像力:古くからある概念、アイディア、計画などを新しく再構成したものである。過去の経験や観察などによって得たものを組み合わせて、新しいものを作り出すのだ。

出典:ナポレオン・ヒル『思考は現実化する 携帯版』第6章“想像力の二つの型”より

つまり、世の大半のアイディアは、既存のアイディアの焼き直し、と仰るのか?

どうぞご注意ください。当記事の表題はわたくしの勝手なる解釈に過ぎません。ナポレオン・ヒルの発言そのままではないことにご注意ください。

Web広告

そもそも、ハウツー本というカテゴリを確立したのはこの方ではなかろうか。成功哲学なるものを確立し、メソッド化したナポレオン・ヒル。同氏の書籍を読むと、あらゆるハウツー本やら引き寄せの法則的書籍が、パクリに読めてしまうのである。

AmazonだとKindle版があるのですね。うろ覚え箇所を検索して探し出すのが簡単そうです。ちなみに我が家にあるのは紙の携帯版である。厚み約3cmという、おおよそ携帯版とは思えぬボリューム。

紙媒体が弱いと言われる昨今。そもそもイラストのニーズは縮小傾向?あるいは拡張傾向?

現代は紙媒体に代わり、Webという媒体がお買い物の仕組みを筆頭に世間を席巻している。さらにインターネットでは企業のみならず、ブロガー、アフィリエイター、そしてSNSユーザなど個人単位での情報発信者も多い。テキストで情報発信する際、目のお疲れをいやす挿入画像はいつの時代も重宝される。ということは、Web媒体に掲載される画像の絶対数は否が応にもうなぎ上りであろう。イラストはかつてない規模で消費されていると推測。

というか、枝葉末節思索に耽りそうになる時頭に浮かぶのはいつもこの言葉。

Web市場の分母数=世界インターネット人口40億!(*)
(*)出典:2018 2Q Global Digital Statshot

ニーズがたとい0.001%でも、40億×0.001%=40000人!

もういい、とにかく拡張市場。

既存ビジネスモデルに学ぼう。イラストコンテンツサイトで成功している事例をチェック。事例ぞくぞく

ネット検索するとぞくぞく見つかる。レッドオーシャンの気配濃厚。飽和の二文字が頭をよぎる。

海外発信(いずれも企業体)
Shutterstock
Pixta
Pixabay
freepik
日本発信
イラストAC(企業体)
いらすとや(個人)
イラストわんパグ(個人)
ぱくたそ(個人、但しイラストではなく写真中心)

調べれば調べるほど出てきますのできりがなし。従って、海外/国内 各4サイト挙げるに留まる。

数多あるイラストコンテンツサイトの特徴。ユーザ利用料柱の企業運営、掲載広告料柱の個人運営

サイトによって利用規約は異なりサービス形態は細々と定義されているものだが、カテゴライズしようとすれば凡そ以下3種に大別できると見た。

それぞれ登場人物と特徴をまとめてみる。

タイプ1:企業体サイト コンテンツ有料提供型(収益の柱:ユーザ利用料)

企業体として存続し得るには提供コンテンツに料金が発生するのが自然というもの。基本は有料コンテンツで構成、無料コンテンツはほんのおまけ程度。

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登場人物
サイト運営者 / コントリビュータ(画像提供者) / ダウンロードユーザ
特徴1:有料画像+ライセンスサービス提供型
画像提供に留まらず、ライセンス処理手続きを請け負う。画像のビジネスユースに伴う煩雑処理に対応することで固定ユーザを獲得。料金体系は利用内容に応じて細やかに設定。
特徴2:ミリオン単位の画像提供者(コントリビューター)からミリオン単位で日々アップされる画像
画像提供者が世界中にいるため、多種多様なテイストの億単位にも上る画像がストックされている。日次でアップされる画像数も万単位である。ユーザの画像利用用途多様性に対応している。
特徴3:撒き餌としての無料画像提供
利用料フリーの画像(いわゆる無料画像)は撒き餌に過ぎないため、期間限定で提供したり(提供期間を過ぎれば有料に戻る)、あるいはクレジット表記を義務付けたりする。
サイト事例
Shutterstock / Pixta / Pixabay / freepik

タイプ2:企業体サイト コンテンツ無料提供型(収益の柱:広告料)

“無料”コンテンツが集客の要でありながら広告費だけで継続できる企業とは?果たしてコントリビューターへの低報酬口実なのではという疑惑。

aa
登場人物
サイト運営者 / コントリビュータ(画像提供者) / ダウンロードユーザ
特徴1:無料画像提供型、延長線上に有料会員サービス(有料画像)あり
運営の基本方針は無料画像の提供だが、より優良な画像を有料でダウンロードできる有料会員サービスも提供。無料画像を導入として、有料サービスへとユーザを誘導する目論見だろうか。
特徴2:画像提供者(コントリビューター)への報酬は低め
画像提供者へのダウンロード報酬はタイプ1と比べ格安である。画像の無料提供ゆえにダウンロード収益は見込めず、広告収入に依存するからである(但し有料会員サービスも提供するならば方便に過ぎぬかもしれぬ)。画像提供者としてユーザ登録するならば、タイプ1の方が好条件であろう。
サイト事例
イラストAC

タイプ3:個人サイト コンテンツ無料提供型(収益の柱:広告料)

無料コンテンツで集客する個人サイトは、表現欲が第一、広告費は二の次。

aa
登場人物
サイト運営者(=コントリビュータ) / ダウンロードユーザ
特徴1:無料画像提供型、ライセンスの譲渡は想定しない
運営者自身がコントリビューターとなり自作画像を無料にて提供。商業利用を認めてもライセンス譲渡は想定していない模様。ライセンス譲渡を求む場合は、運営者に直接固有のイラストを発注する必要があるだろう。
特徴2:画像の種類は限定的で少ない
タイプ1,2がミリオン単位のコントリビューターから画像を提供するのに対して、運営者本人からの画像が提供される。よって画像のタイプは一元的であり、総量も少ない。
特徴3:運営者の営業ツールとしてのサイト
広く自らのイラスト(あるいは写真)を伝播することが目的で、広告収入は「あったらいいな」の副産物的位置づけか?広告料目的の運営というよりむしろ、認知度を上げるための営業ツールとしての、あるいは完全趣味としての意義が強そうである。
サイト事例
いらすとや / イラストわんパグ / ぱくたそ

企業は収益率命。個人は趣味としての運営がままあるのだ

企業体として運営されるサイトはほぼタイプ1(画像の有料提供)である。タイプ2(画像の無料提供)に見えても、結局のところ延長線上に有料会員サービスがあり、ユーザ利用料で運営されていると解釈した方が正しいと思える。

···というか、ユーザ利用料くらい堅実な収益源が見込めないと企業体として運営する以上不安がつきまとうよね。

aa

タイプ1のサイトは乱立しており、コントリビューターへの報酬額は中々塩辛いところをみると(そして過去、報酬額が弾んでいた時期があることを知ると)、ゼロサムゲームの様相を醸しているのだろうか?

対して個人により運営されるサイトは規模はこじんまりしており、目的も企業体とは異なる様相。営業ツールとか趣味サイトの趣を強く感じる。とは言いつつも結構な収益を上げていんでしょ?といやらしい心で閲覧するさなか、サイト運営維持のために寄付が必要という月間20万PVサイトを発見。

20万PV/月間とは結構なアクセス量に思えるのですが?
1人あたりたっぷり10ページ(10PV)閲覧したとしても、2万人アクセス/月次=666人アクセス/日次!?

aa

夢のような数値である。だが寄付を求めるほどにお金に困窮?サイト運営でお金持ちどころか、サイト運営には貧乏神でもついているのだろうか??開始以前より暗雲たちこめる。

“フリー素材”ダウンロードサイト収益の仕組み。コンテンツ自体は無料だが、サイトが持続的に広告収入を生む

“フリー素材”ダウンロードサイトの基本は、コンテンツ(イラスト、写真、音楽等)を無料で使えるフリー素材として提供する。ダウンロードユーザへ“無料”というメリットを提供することで集客を狙い、広告費をより多く稼ぎ出そうとする仕組みである。

イラストレータにとって作品たるイラストを、無料で扱うとはなにごと??

aa

と短絡的思考でフリー素材サイトを眺めていた目が急に開眼。なるほど、イラストを一点モノとして扱えば納品時点で報酬が一度発生するきり(契約内容次第なので言い切るのはかなり雑である)。対してサイト運営のコンテンツとして無料で据えると、“無料”が集客し続け広告収入を生み出し続ける=報酬は持続的に発生可能と言えるのか?

ザ・不労所得がユーをリッチにしますよ。

断片的理解だと危険なるロバート・キヨサキ信仰で、繰り返し唱えられる誘惑のマントラ「不労所得」が耳にこだまするではないか。

···ということで、
タイプ3:シナコスイラスト フリーダウンロードサイト(仮)
という前提で検討してみようか?

サイト運営による持続的発生予定の月間広告収入を机上計算してみる。単価が気になる私だから

いそいそと単価計算に入る。検討比較材料としてイラストレータとなった場合の収入も算出せねば。
前提として以下諸々を仮定。業界トーシロの私が謙虚に想定した数値である。謙虚過ぎて泣ける数値に思えるが現実やいかに。

A)イラストレータ収入
カットイラスト1点当たり単価(仮):¥1,000-
タブローイラスト1点当たり単価(仮):¥3,000-
イラスト依頼数(仮):カット4点+タブロー1点/月間
著作権:自分(著作権譲渡ならばもう少し単価を上げて欲しいではないか)
---------
¥1,000*4 + ¥3,000*1 =¥7,000-/月間収入(仮)
B)無料イラストダウンロードサイト運営(広告)収入
クリック単価(仮):¥10-
サイトアクセス数(仮):20万PV/月間
クリック率(仮):0.1%(千人に一人クリックしてくれるとして)
著作権:自分
---------
¥10*(200,000*0.001) =¥2,000-/月間収入(仮)

ふむ···?何やら方向性が誤っているような···?

A)の低単価イラストレータを振り切るべく、B)のサイト運営に乗り出すはずなのに、B)の数値1ケタ2ケタ足りないのではありませんか···?20万/PVというかなり優良(かつ無謀)なアクセス数を前提に算出しているのに···?

メインテーマであるお金持ちが、高速で後ずさりしていく気配。

希望を捨てずに、B)の持続性に焦点を当ててみたところで、
B)¥2,000-/月間 * 12ヶ月=¥24,000-/年間
お金持ちの気配さえ、跡形もなく消え去った。

「不労所得」の甘い罠。低単価な不労所得と高単価な労働所得、どちらを選ぶが賢いか

不労所得のみで理想的状況を満たすには、高単価という条件がつくはずである。むやみやたらに同文言(=不労所得)に魅力を感じるのは危険であるという現実。

また不労所得の単価を上げたい場合、タイプ1あるいはタイプ2のように登場人物を多くしてユーザ利用料等の稼ぎを生み出す仕組みが必要であり、タイプ3サイト(コントリビューターである運営者による広告費オンリー運営)で高単価不労所得を目論むのは無謀である。ましてや無名の一サイト(シナコスイラストダウンロードサイト(仮))にどれだけのアクセスが望めるのか不明な状況であればなおさらである。タイプ3を選択するならば、堅実なる労働所得を持ちながらのサイドビジネス、という位置づけが好ましい。

···しかしサイドビジネスと捉えるには、シナコスイラストダウンロードサイト(仮)運営、作業負荷の高すぎる選択である。そもそもサイドビジネス以前にメインビジネス(一応Webサイト構築業)さえ確立し得ていないというに···。

とか言いながら、欲にまみれた損得勘定で考えてない?投資(作業負荷)対リターン(広告収入)とかで考えてない?

(ドキリ)···鋭いな。

aa

内なる外野の声が迷える心中をかき回す。一応、堅実なる検討をしているつもりなのだが。
ではここで、堅実かつ公平なる検討の結果明らかな事実を挙げてみよう。

火を見るより明らかな事情
・タイプ3のサイト運営ではBクワドラントに適合しない。従って、あえて選択する余地なし。
・タイプ1,2のサイト運営がBクワドラントに適合するが、あえて選択する意思なし。
・「Bクワドラント」だとか「不労所得」だとかに囚われて目的を見失いそうで危険。目的はなんだ?
・目的は「お金持ち」を達成することであり、究極的には手段を問わぬはず。
・でも本ブログのテーマは「絵描き」。これをかなぐり捨てるのは無意味。というか自分の気力が湧かぬ。

つまり私は悟った。堅実で高単価なる労働所得を無視してBクワドラントばかり夢見るのは危険だということを。「Bクワドラント」的な何か、あるいは「不労所得」というワードにばかり気を取られ数十円単位のサイト運営(いわゆる低単価の不労所得、しかも本心では絵を描きたいはずがなぜかまたもやWeb構築)に走るより、高単価の労働所得(自称ではなく、いわゆる正統の世が認めるイラストレータ)の修行を早々に積むべきでないか?ということを。

···と言うか、サイト運営は半端な心でこなせる作業負荷ではない。つまり「不労」所得とは言い難い。フリー素材でサイト展開して数十円単位の広告収入を得るよりも、イラストレータとして有料素材を顧客に納品した方がよほど効率がよさそうである。

aa

そして何より、心も満足しそうである。

「秒速で1億稼ぐ」とは与沢翼の発言。私の場合、音速で1億が遠のく足音を聞いた(あるいは幻聴であり気配すら無かったかもしれない)

だがしかし、月速で数十万円稼ぐ、ということは可能ではあるまいか?イラストレータとして。

というか、そうして生計を立てているイラストレータが世に存在する中で、なぜそこを目指さないのか?

なぜベストを尽くさないのか、という上田次郎の声が聞こえてきそうである。実現してもいない職業の単価が低かろうことをくよくよ気に病み、一歩を踏み出さないなど、愚か極まりない。と、恐ろしく初心に立ち戻ったというか原点回帰し、Bクワドラント以前に改めて自分の心を見つめ直すわたし。プロローグで散々検討してきた事項はどこへ行ったのか。申し訳ない次第である。

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仲間由紀恵、阿部寛のコンビで有名なドラマ「トリック」。阿部寛演ずる上田次郎教授がドラマ内で上梓した「なぜ、ベストを尽くさないのか」。本当に出版されていたことに驚きを隠せない。コメント数から推測すれば、それなりに売り上げたはずである。うまい商売のしかたとはこうして事物を運ぶのであろう。
なお本書、現在は絶版である。

おまけ:著作権フリーと利用料フリーとはまるで別物。フリー素材の“フリー”、どこに修飾するかは利用規約で見極めよう

基本的に、「無料画像」とか「フリー素材」「フリー画像」と呼ばれる時には、対象画像の“利用料”がフリーなのである。対象画像の著作権は誰かに帰属しているのが常なので、ダウンロードして使いたい場合、サイトの利用規約あるいは画像毎のライセンス規定をしっかり確認する必要がある。あなたがヘビーユースするそのサイト、ライセンス関連説明、しっかりしているのだろうか?うっかり違法サイトのユーザとならぬよう、よくよく注意したいところである。

そしてそれはコントリビュータとて同じこと。自らのイラストを提供する立場ならば、ことさら慎重になってよいだろう。著作権の取り扱いはどうなのか?あなたの希望に叶う要件なのか?登録すべきサイトを見極めるとよいと思う。